- 作者: ハンス・クリスチャンアンデルセン,バージニア・リーバートン,Hans Christian Andersen,Virginia Lee Burton,乾侑美子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/09/22
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
だいたい,こーゆーあらすじだったと思います。
このお話では「大人:自分の意見を持たず,もしくはシロと思っていても他者からの評価におびえクロと答えてしまう存在」「子ども:思ったことを正直に表現できる純粋で美しく気高い存在」という対比が印象に残ります。
でも,それは違うンぢゃないか。そう思うんです。
大人は「服を見えてもいないのに見えると人や自分を騙すナサケナイ存在」なのでしょうか?私はそうではないと思います。大人には本当に見えていたのです。人間は目でモノを見ているわけではありません。脳で見ています。見ているのは見たいものであって,見たくないものは見ないで済ますことができます。(なぜか嫌いな蜘蛛は見たくないのに見つけてしまう人もいますが)
子どもの脳味噌は未発達なので,そのような高級な仕事は苦手です。
棒を持ってきて,「これを直線と見なしなさい」と言っても,どうも満足にできない様子の中学生が増えてきました。幅も厚みもない直線。両側に終わりがなく,どこまでも伸びていく直線。確かにイメージすることは難しいですが,大人だったらそういわれれば少なくとも幅1mm程度,長さ100m程度の直線のイメージは目を開けていても見えるものです。
授業ではイメージできない生徒には目を閉じさせます。すると,少しはイメージできるようになります。
子どもは純真だから服が見えなかったのではなくて,脳が未発達だから見えなかったのです。そこを取り違えて,それこそ大人の歪んだ理想像を子どもに投影するのは,子どもにとってもありがた迷惑ではないでしょうか。