放物線の問題

昔作った問題を思い出した。

ある日、A君が y=ax^2 のグラフを描いた。
ところが、せっかくのグラフを妹のB子がはさみでばらばらに切り刻んでしまった。
残ったのが下の破片である。

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わかっていることをまとめると

  • y=ax^2のグラフの一部
  • a>0としよう
  • グラフの1目盛は1

A君は何のグラフを描いたのか。

期末考査には没にした。

で、たしかこうだったなと思い出して、自分で解こうとしてとまどった。
作ったときは、エレガントに解いた記憶があるのだけれど。。。

日本のパイ

地図を見ていると日本にも\piという地名があるようだ。
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いや、昔検索したときは3つは「兀山」が見つかったんだけどなぁ。
なくなってしまったみたいだ。

お気づきと思うが、上の地名は「パイ」ではない。
漢字の「兀」なのだ。

これは「ゴツ」と読む。はげ山の意味らしい。

では本当の\piはないかと検索してみると、さすがに地名には見つからないが、店名や会社名にはある。
一部を並べてみよう。

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一度は讃岐うどん食べ歩きツアーに行ってみたいが、そのときにはぜひ立ち寄ろう。

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甲府で焼き鳥を食べたくなったらここだ。

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船橋なら近いな。そのうち行ってみよう。

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大阪大会の時、いけるかもしれない。


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これは卵の会社かな。近くのスーパーでは売っていない。

反比例のグラフも1つ

双曲線は漸近線の交わる角度がいろいろあるから当然いろいろある。
でも、中学校1年生で学ぶ反比例のグラフは漸近線がx軸とy軸なのだから、これはすべて相似ではないのか。

放物線と同じで、簡単に証明できた。

証明

y=\dfrac{1}{x}上の点A\left(\alpha,\dfrac{1}{\alpha}\right)
y=\dfrac{a}{x}上の点B\left(\alpha\sqrt{a},\dfrac{\sqrt{a}}{\alpha}\right) を対応させる。

ABx座標の比も、y座標の比も
1:\sqrt{a}

放物線は1つだけ

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東書の教科書には上の課題が採用されている。
y=x^2のグラフを1目盛1で描かせると、どうしても頂点が尖ってしまうので良い問題というか必須の問題だ。

ついでに次の課題もやったらどうか?

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タイミングとしては、2乗比例のグラフの特徴をおさえて、比例定数の値によるグラフの形の変化をおさえた後あたりか。

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こんな写真を見せて、これ全部y=ax^2 なんだよ。どれもa<0だけど。

でも、実は放物線は円と同じで1つしかない...と展開したらちょっとした驚きになるのではないかな。

以前は2年生で相似を学んでいたのが、今は3年の関数の後になってしまったのが痛い。

証明

y=x^2上の点A(\alpha,\alpha^2)に対し、
y=ax^2上の点B\left(\dfrac{\alpha}{a},\dfrac{\alpha^2}{a}\right)を対応させる。
ABx座標の比も、y座標の比も
1:\dfrac{1}{a}=a:1
なので、3点O,A,Bは一直線上に並ぶ。*1

*1:内項を入れ替えれば、OAの傾きとOBの傾きが等しいことがわかる。 もちろん相似比は a:1

記憶は改変される

遠足で山道を歩いていたら、目の前を歩いていた女子生徒3人のうち1人がふっと消えた。
30年この仕事をしていても、なかなか経験できない強烈なシーンだ。

心臓が止まるかと思った。*1


急いで駆け寄ると、幸い数メートル下の斜面*2にA子はへばりついていた。本人も何があったか理解している様子ではなく、ただ茫然としていた。
まったく怪我もなく、事なきを得てほっとした。

25年以上たっても、くっきり覚えているこの強烈な記憶。
ところが、昨日その当事者と会って驚いた。
この記憶が間違っているというのだ。

私は滑落したのはA子だと記憶していた。
しかしA子が言うには、落ちたのはM子だという。
私にとっては数少ない、鮮明な記憶なのに、主人公(?)の顔がすげ替わっていたとは!?

A子は芸術家肌のおっちょこちょいな子どもで、その山歩きをするという当日もトレッキングシューズでも運動靴でさえもなく、通学用の革靴で現れた。それで滑って落ちたのはA子だと、長い年月の間に記憶が書き変えられていたらしい。
A子が言うには、確かに滑ったのは私だが、私は3人の真ん中にいて、同時に3人ぬかるみで滑った。そして谷側にいたM子が落ちて行っただそうだ。

人の記憶というものは、かくも頼りないものなのだ。

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その同窓会に持って行ったのに使うの忘れた扇子

*1:実際に心臓が止まったわけではなくて、時間感覚が速度を上げて、相対的に心臓の鼓動が間延びしたのだろうが。

*2:上から見ると断崖絶壁に見えたが、目のついている位置が理由の錯覚で、実際には30度ぐらいだったようだ。

三角コーン

今朝テレビから「三角コーン三角コーン」と聞こえてきたので、なんだそれ?矛盾してるだろと脳内でツッコミを入れていたが、そういえば、そういう呼び方もあったっけ。

仕事でも使うが皆「コーン」と呼んでいるので三角をつける呼び方があったことは忘れていた。

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ググってみたらカラーコーンと呼ばれることが多い雰囲気だ。ただしカラーコーンは登録商標らしいからテレビでは三角コーンと言ったのかもしれない。

コーン(cone)は円錐という意味だから三角は余分だ。

 

中学生に円錐見せても四角錐みせても「三角錐」と答えるのは三角コーンという言葉の存在も原因の一つかもね。

 

子どもの頃、ソフトクリームの容れ物をコーンというのはトウモロコシ(corn)が原料だからだと思っていた。...と言った懺悔話もしてコーン=円錐を印象付けようとするのだが、人間見た目に騙される動物だから「三角錐」の誤答はなかなか執念深い。

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懺悔で思い出したが、つい最近までノンブルはドイツ語だと信じていた。

ノンブルとは印刷物の下の方にあるページ番号のことだ。

日本はドイツから印刷技術を学んだということからナンバーのドイツ語読みなんだろうと勝手に思っていたのです。

フランス語だった(^^;;;

nombre

言われてみればフランス語っぽいや。

ん、だったらリットルもメートルもドイツ語だと思っていたけどフランス語か???

フランス語でした(°▽°)

litre

どうせこれからは使わない単位だからいいけどね。昔は\ellだったけど最近の教科書はLになっている。リッターというのは英語読みだと思っていたけど、英語ではリーターなんだ。知ってるつもりでいるだけの事って多いなぁ。

m\acute{e}tre

メーターが英語読みだと思っていたらメーターこそドイツ語読みだった。英語ではミーターなのかな。

考えてみれば国際的に度量衡の標準を作ろうと動いたのはフランスだったそうだからわかりそうなものだ。

 

追記

WikiPediaに書いてあった。

 から L へ[編集]

リットルの単位記号として、小文字の l の活字体ではなく筆記体の  (U+2113) が日本をはじめとするいくつかの国で用いられることがある。日本の初等および中等教育でも  を用いるように教えていた。しかし、前記の通り、国際度量衡局 (BIPM)、国際標準化機構 (ISO) やその他の国際標準機関においても、日本の計量法体系においても、この記号は認められていない。

また、筆記体のエルのほか、中学高校の教科書では斜体字のエル  を用いているものもあったが、単位立体で書き、斜体字は物理量の変数を表すことになっているため、単位の取扱いとしては誤りである。このため2006年度の教科書検定では、高校物理IIおよび高校化学IIの教科書では立体の L に表記を変更する措置がとられた。この結果、2012年現在、ほとんどの高校の教科書で立体の L や l が用いられており、 の表記はほぼ使われていない。

小学校の教科書においても、2011年度からは、L が使用されている。2009年6月の小学校学習指導要領解説 算数編では、リットルの単位記号として小文字の「l」が用いられていたが[26]、2011年の教科書検定から、単位記号は、大文字の「L」を使用するように検定意見が付き、各教科書とも、L を使用し始めた[27][28][29][30]。これは、教科用図書検定基準が改定され、計量単位の記号については、「SIと併用される単位」についても、SI文書の表記によることとされたためである[31][32]

 

比と率

昔、何かの本で「どちらかは同じ単位を比べたもの、どちらかは違う単位を比べたもの」という記述を読んだ記憶があり、どっちがどっちだということまでは覚えていない。
どの本にあったのかひっくりかえしてみもつかりそうにない。

そもそも円周率は直径と円周の長さと長さの割合だし、三角比も辺の長さと長さの割合だ。同じではないのか?

どなたか詳しい人、教えてください。


大昔、「速さ」という概念がなかったとき、距離と時間が比例するというのは体感していただろうから、「あの村までは3日の距離だね」いった表現があっただろう。
そして「俺だったら2日でいけるね」という形で速さは意識されるのだろう。

では「速さ」という量はいつ生まれるかというと
a:b=c:d ならば a:c=b:d
この定理が認められたときが、その時ではなかろうか。

すなわち、同じ速さということは
100里 : 200里 = 3日 : 6日
から
100里 : 3日 = 200里 : 6日
を導いたとき、単位が違う比を考えてもよいんだ。
100里の100も3日の3も同じ数であり、計算しても良いのだというこということに気付いたときが「速さ」の誕生日ではなかろうか。

いや、もっと前の抽象的な「数」の誕生なのかなぁ。