- 作者: 羽生善治,松原仁,伊藤毅志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/08/24
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 47回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
大学の講義で準備されいたのはさらに30年以上前の心理学だったから問題外だし、ちと新し目の「教育工学」というのも猿の調教か「苦悶式」の役にしか立ちそうもない内容だった。自主ゼミで読んだピアジェやラカン、乳児心理学やゲシュタルト心理学は子どもに向かい合う心構えにはなったが、やはり学問ではなかった。そんな中で、「これは!?」と期待感を持ったのが卒業も近くなった頃に知った認知心理学だ。しかし時間切れ。結婚就職子育てと怒涛の時間が流れていき、私の脳髄も腐った。実は佐伯先生の本を何冊か読んだのだが難しくてよくわからなかったのだった。
この本は将棋の羽生先生の講演を認知科学者の伊藤毅志先生がさらに解説したものだ。
あれから20年たって進歩した認知心理学の知見を親しみやすい羽生さんの話を通じてわかりやすく知ることができるかもという期待を持って読み始めました。しかし、考えてみたらこの期待はあまりにもムシが良すぎました。楽しく読めましたし、実際面白かったのですが、やはり読み終えて将棋でもない、認知心理学でもない、コンピュータ将棋でもないとどれも興味ある内容なのですが、中途半端な印象を持ってしまいました。本として売るためにはいろいろな制約があるのでしょうが、伊藤さんには認知心理学を真っ向から取り上げてしかも私程度の人間にわかりやすく理解できる本を書いてくださることを期待いたします。
でも、将棋のルールは知っているというレベルの方で認知心理学にちょっと興味あるなという人にはお勧めです。一粒で三度美味しい内容ですから。