読書メモ:ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか
『ギリシャ神話は名画でわかる』と似たような本だが、あちらは「神話が現在のように形作られたのはオウィディウスとルネサンスの画家による」という主張があるのに対し、こちらは気軽に読める。
しかしこのような軽い読み物は良い。抑えておくべきギリシャ神話のミニ知識も豊富に散りばめられている。
また本物の絵を見に行くには何処に行けば良いのかがきちんと示されていて親切だ。紹介されていない有名な作品の在処も載っている。この本を持って世界中の美術館をまわるのも楽しいだろう。
そして驚くべきは全ページカラー印刷で(とても小さいが)絵が豊富に紹介されている。『ギリシャ神話は名画でわかる』と対照的だ。こちらの方が安いのに、とてもよく頑張っていると言って良いだろう。
パンドラの壺がいつのまにかパンドラの匣に変わってしまったのはエラスムスの間違いが原因だそうだ。
プシュケーがペルセフォネから贈られた「眠り」の入った小箱と混同したとのこと。
ところでアルゴ探検隊の話は紀元前12世紀には成立していたという最古の英雄冒険譚なのに、私は読んだことがない。映画にもなっているから有名な話なんだろうけどな。ヘラクレスが途中で脱落するとか、のちに何度も登場する金の羊毛とか面白そうだ。
