前のエントリーに反応があったけど、twitterは全順序じゃなくって順序自由派らしいのでどの順に読めばわからなくなって惚けた頭ではごちゃごちゃ。
そこで、このエントリーに貼付けてみる。
5×3は式なのか数なのか - 中学数学教材研究ノート++ https://t.co/9rxJb6fp5s #超算数
— 風みどり🌖 (@kazemidori) 2023年4月10日
これは新しいエントリー
文字式は、文字の具体的な値が与えられない以上、それ以上、数どうしの演算のように計算を実行できないので、文字式は計算のプログラム(演算、求め方)を表す、つまり、式である、と同時に、その結果を表すようになります。 pic.twitter.com/3uja5pUW1S
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
1000円もっていって、150円の墨汁をx本買ったときの代金は、(1000-150x)円です。式が同時に答えです。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
中学1年生を教えるとき、「式」という用語は注意が必要です。
教科書に「1個20円の菓子個の値段を式で表しなさい」とあると、
と答える子がでてきます。
それは計算の途中式、答は円と書いてねと教える必要があります。
もちろんその子は を知っている上で、問題に「式で表せ」とあるのであえて と答えているわけです。
(いや、これ書きにくいわ。書いているときはurlしか見えないんだものね)
算数では、小6に文字を使った式を学びますが、基本は、文字を使わない、数どうしの演算を学びます。ですから、過程と結果、式と値は別物で、左辺が演算(たとえば、かけ算の式)で、右辺は、その演算を実行した結果(答え)です。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
算数でも、等号は左辺と右辺が等しいことを表す、ということ(等号の関係的意味 relational sense)は学びますが、まだまだ、計算の結果を導く記号のという操作的な意味(operational)を保持しています。算数では、左辺と右辺はまだ同時ではないのです。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
小学校と中学校で式や等号の意味が異なっているわけですね。
私の場合は等号を今までは「は(wa)」と読んでいたと思うが、これからは「イコール」と読めと教えます。
これからは=は右辺と左辺の量が等しいことを表す。計算の結果ではないので⇒ではなく⇔と見えるようになれと(かなり乱暴に)教えます。
(代入の時は←)
だからというのがすぐに必要になります。
「100年も前から(つまり数学教育の現代化が叫ばれる前から)乗法を累加で教えていないと主張される。」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
これは、黒玄氏の主張の再現としては、誤っています。100年も前からと言っているのは、〈かけ算の順序〉指導です。
「乗法を累加で教えていない」というのは、現在の算数教育について、言っていると思います。現在は、かけ算は同数累加ではなく、同数グループで教えられています。各グループの構成員数が1つ分の数、グループの数がいくつ分です。 pic.twitter.com/2gcOatRw0z
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
戦前は、緑表紙時代など例外はありますが、かけ算は同数累加(repeated addition)で、教えられてきました。戦後は、1950年代が同数累加、1960年代・1970年代が倍、1980年代以降が、同数グループ(equal groups)です。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
同数累加の定義において、同数グループの1つ分の数といくつ分に相当するのは、かけられる数とかける数(被乗数と乗数)です。4+4+4+4+4のように同じ数の足し算を、短く4×5と、かけられる数(繰り返される)数とかける数(繰り返し回数)を使って短く表現したものが、かけ算です。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
中学校の教科書では冪(という名称も教えない)を累乗で教えます。
これも本来だったら新しい演算として取り上げた方が「あぁ中学校に入って新しい計算を教わった」と喜ばせられると思うのですが。
冪を教えないから教科書は「を累乗の指数を用いて表しなさい」なんてしちめんどくさい表現になります。
なので小学校でもまだ乗法を(あたらしい計算ではなく)累加で教えているものと思っていました。
遠山啓と数教協系の教師は、かけ算が足し算とは独立の演算であることを強調し、現在の算数の定義もその影響を受けています。しかし、一般には、同数累加という言葉で、同数グループも含めて言われていることは、珍しくありません。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
「大昔に教育学部で勉強していたときは、「乗法は累加で定義されるべきではない」と教わった。」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
数教協系の大学講師から学んだからでは?
大学の講義に小中学校での指導法といったものはなかったので、サークルの先輩からかもしれないですね。
もしくは全教ゼミかな。
「これが現代化ってやつかと思って聞いていた。」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
これも誤解。たしかに、遠山啓も数学教育の現代化を目指しましたが、ふつう、現代化と呼ばれるのは、スプートニックショックを契機として、1960年代にアメリカから始まった、数学教育の現代化の運動、New Math運動です。
日本は、その余波を受けて、1970年代に、集合や位相、等式の性質などが、小学校算数で教えられました。多くの児童が、算数がわからなくなり、算数が嫌いな科目の筆頭になりました。この無謀な試みは、当然のことですが、頓挫したのです。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
私は正にその時代の教科書を使っていたんだと思います。
群の定義ができてきたものね。
中学校だと記憶していたけれど小学校だった?
『ジョニーはなぜ足し算ができないか』も読んだっけ。
「100年も前から(つまり数学教育の現代化が叫ばれる前から)乗法を累加で教えていないと主張される。」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
あなたのなかでは、100年前から続く順序指導、紀元前からある同数累加のかけ算定義と、1960年代~1970年代に起きた現代化が、ゴチャゴチャになっています。
さいですか。そうなのかもしれません。
もともと黒玄さんの言っていることがよく理解できないんです。
「数に数を掛けるといわれるのは、後者の中にある単位の数と同じ回数だけ前者、すなわち【掛けられる数】が加え合わされてなんらかの数が生ずるときである。」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
ユークリッド『幾何学原論』第7巻定義16 中央公論新社、ギリシアの科学 p.331
「このように書いてないことをさも書いてあるように語って難癖をつける」
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
算数教科書を見たら、別のページに書いてありました(画像赤線部分)。 pic.twitter.com/dK0UsKglhI
私は、黒玄氏と対照的に、演算の式を、場面を表すものとして教えるのに賛成です。児童は、日常的な具体物の変化や配列などの、具体的な状況からではないと、数学的演算のような抽象的操作を理解できないので、式を場面に強力に関係づけて教えるのがよいと思っています。
— kistenkasten723 (@flute23432) 2023年4月10日
はぁはぁ、けっこう疲れた。とりあえずここまで。まだまだ続きます。