2次式の因数分解(つづき)

ゆとり時代に曾野なにやら夫婦のおかげで、中学校の数学から「2次方程式の解の公式」が消えた。
そこで、なんでもかんでも平方完成で解かなくてはならなくなり、数学の苦手な子は大変苦労をした。
(「公式」は数学が苦手な子のためのものなのだ)

ところが当時、高校の先生からは好評だった。
平方完成のテクニックは、高校で頻出するものだからだ。

現在は教科書に解の公式が復活しており、ax^2+bx+c=0a=1, b=2k の時に平方完成は使うように指導している。
分数式になると、約分で混乱する生徒が多いからだ。
(公式が多いとまた混乱してくるので、解の公式は一般形のみしか教えないことにしている)

この平方完成、因数分解にも当然応用できる。

例題

\begin{eqnarray*}
&&x^2+2x-323 \\
&=&x^2+2x+1-1-323 \\
&=&(x^2+2x+1)-324 \\
&=&(x+1)^2-18^2 \\
&=&((x+1)+18)((x+1)-18) \\
&=&(x+19)(x-17)
\end{eqnarray*}

324=18^2素因数分解してもいいし、20^2=400よりちょっと小さくて1桁目が4だから、12か18しかないけど、さすがに12^2=144は覚えているから18しかないな、でも良い。(確認はすること)

根拠

\begin{eqnarray*}
&&x^2+(\alpha+\beta)x+\alpha\beta \\
&=&\left(x+\dfrac{\alpha+\beta}{2}\right)^2-\left(x+\dfrac{\alpha-\beta}{2}\right)^2 \\
&=&(x+\alpha)(x+\beta)
\end{eqnarray*}
省略し過ぎ?
読者は教員を想定しているので、中学生は途中計算頑張ろう。