まただまされたな,ワトスン君!

まただまされたな、ワトスン君!

まただまされたな、ワトスン君!

確率・統計関係の話題を使ってシャーロック・ホームズが事件を解決。物語仕立ての中でいくつかの数学的話題を解説するという試みは随分されているが,このタイプの本の中で私が知る限りこの1冊が一番上出来だと感じた。ちゃんとしたストーリーになっているのである。無駄話をする狂言回しが登場するだけではないのだ。いろいろな有名人がゲスト出演するのも楽しい。
また例えば,大数の法則の説明でも閃きを感じた。「一定の値に近づくのはあくまで相対度数なんだよ」ということを力説するよりも,この本の説明はわかりやすいかもしれない。というか,酔っ払いの足跡と大数の法則を絡めて説明した文章はこの本で初めてお目にかかった。
この作家の別の著作も読んでみようかな。
ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ―名探偵ホームズの科学事件簿

ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ―名探偵ホームズの科学事件簿

The Einstein Paradox: And Other Science Mysteries Solved By Sherlock Holmes

The Einstein Paradox: And Other Science Mysteries Solved By Sherlock Holmes

っげっげ。誰か翻訳しておくれ。

ついでに紹介

ホームズの設定というのは実に良くできていると感心しますねぇ。

Chess Mysteries of Sherlock Holmes: Fifty Tantalizing Problems of Chess Detection

Chess Mysteries of Sherlock Holmes: Fifty Tantalizing Problems of Chess Detection

この本は私の趣味の世界では有名な1冊で,英語の苦手な私も苦労して読みました。smullyanはここの読者の皆さんにもおなじみだと思うので紹介しておきます。